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子供の運動と健康 ~運動神経を高めるコツ①~

2023.06.29

 子どもの頃(特に幼少期~中学生)の運動習慣は、姿勢・健康・体力面だけでなく、学習能力や集中力、そしてメンタル面にも大きな影響を与えています。最近は外で遊ばない子が増えて、子ども達の体力や運動能力の低下が著しいように感じます。運動を苦手だと感じている子も多いようですが、運動が苦手になる原因は遺伝ではなく、幼少期の運動習慣が関係しています。幼少期の運動習慣がどのように子どもの運動能力に影響を与えているのか、どのようにして改善していくと良いのかなどをお伝えしていきます。

 乳幼児期の運動習慣と運動神経

 幼少期の中でも特に、乳幼児期(0~6歳)の過ごし方は、子どもの運動神経や姿勢の形成に大きく影響します。一般的によく「体幹が大事」と言われますが、この体幹の基を形成しているのがこの時期なのです。

 体幹の形成は、0歳の時によく「泣く」ことから始まります。赤ちゃんが「泣く」ことによって、体幹を支えるために最も重要な横隔膜が刺激され鍛えられます。その後、寝返りを繰り返すことで背骨まわりの筋肉を使えるようになり、擦り這いや這い這いをすることによって、肩や股関節まわりの筋肉のバランスが整っていきます。つまり、「泣く」「寝返る」「擦り這い」「這い這い」などの運動をあまり行わないまま成長した子は、体のバランスが整っておらず、姿勢不良や運動能力低下という状態が起こりやすくなるのです。

 兄弟姉妹で運動神経を比べてみると、第一子の運動神経が一番低くなる傾向があります。第一子は常に手をかけて大切に育てられる傾向があり、第二子以降に比べて「泣く」「寝返る」「擦り這い」「這い這い」の機会が少なくなりがちです。常に手をかけて大切に育てることが子供の運動発達の機会を奪う結果になってしまわないように、十分に愛情を注ぎながら、「泣く」「寝返る」「擦り這い」「這い這い」を見守る時間を作りましょう!

子供と一緒にトレーニング!

①寝返りゴロゴロ

仰向けに寝た状態で、両手を挙げて、脚は真っすぐに伸ばして体を一本の棒のようにします。できるだけその場から動かないように、寝返りを一回転できるように練習します。手足を使わずに体幹部分を使って一回転する練習をすることで、背骨まわりの筋肉を動かすトレーニングになります。

 詳しいやり方は、こちらの動画をチェックしてみてください ⇩

②トンネルくぐり

お父さんorお母さんが四つ這いになってお腹の下に空間を作り、その空間を子どもにくぐってもらうトレーニングです。空間の大きさを変えることで難易度(低い方が難しい)を調整したり、何回か連続で行う目標タイムを決めて実施したりすることで、子どもは楽しみながら運動をしているだけで、体幹の基となる肩や股関節まわりの筋肉を鍛えることができます。

 詳しいやり方は、こちらの動画をチェックしてみてください ⇩

運動神経を高めるコツ① 補足&まとめ

 乳幼児期にあまり背骨を動かしていなかった子は、背骨まわりに触れられた時に、痛みやこそばゆさのような違和感を訴えることがあります。これは、背骨まわりの筋肉が過度に緊張して固まっている状態なので、少しずつ優しく触ってほぐしてあげてください。どうしても触られるのを嫌がる子は、今回紹介したトレーニングを行うことで改善がみられる場合もあります。

背骨、肩、股関節まわりの筋肉が固まっていると、体の動きを察知するセンサーが鈍って、運動神経が高まりにくくなります。逆に、これらの筋肉を上手に使えるようになると、楽に上手に身体を動かせるようになって運動神経が高まります。

今回紹介したトレーニングは、親子でスキンシップを取りながら実施できるので、肌の触れあいも感じながら、楽しく取り組んでみてくださいね。


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臼井 美由紀

からだRe創作Motto 代表  理学療法士/スポーツトレーナー
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