HEALTH&BEAUTY

VOL.2 女性ホルモンとのつき合い方

ぎふ子宮頸がん予防啓発キャンペーン「パピキラ」。県内の産婦人科医監修の元、啓発記事を発信します。

2026.01.29

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県内の産婦人科の先生に女性ホルモンについて詳しくお伺いました!

宮崎千恵婦人クリニック

宮﨑千恵院長
1976年に久留米大学大学院を卒業後、病院勤務を経て1980年に宮崎千恵婦人クリニックを開業。青少年の性教育や婦人科系の病気に関する啓蒙活動に積極的に取り組む。

女性ホルモンとは?

 女性の体は「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という二つの女性ホルモンの影響を大きく受けています。エストロゲンには従来から知られているαレセプター作用(乳腺や月経周期の調整や子宮などの生殖に関する作用)だけでなく、その他に、βレセプター作用、気分を明るくさせる、自律神経の調整、血管の弾力性を保つ、脂質の代謝を助ける、骨を丈夫にする働きなど、女性の健康に欠かせない重要な働きをする機能が有ることが解明されました。

 即ち、血管をしなやかに保ち、排卵、妊娠、分娩、乳腺の発育、皮膚のコラーゲンを保ち皮膚をなめらかに女性らしくする作用だけでなく、脂質の代謝を助け、血管を柔らかくして動脈硬化を防ぎ、骨量を維持するなど、健康維持に欠かせない役割を持っています。
 一方、プロゲステロンは妊娠の成立や維持に必要で、妊娠に備えて子宮内膜を整えるといった重要な働きがあります。

エストロゲンの働き

α型(1966年)
子宮内膜を厚くする
膣粘膜や皮膚にハリ、潤いをもたせる
排卵期に粘稠・透明なおりものを分泌
乳腺を発育させる
α型は乳腺・子宮など生殖に関する臓器に主に分布

β型(1996年)
気分を明るくする
→更年期障害
自律神経の働きを調整する
→更年期障害
血管を柔らかくし、血圧を下げる
→高血圧症
コレステロールを下げる
→高脂血症
骨を丈夫にする
→骨粗鬆症

20〜30代に大切なこと

 20〜30代は月経が安定し、妊娠・出産を経験する方が多い時期です。一方で、月経困難症やPMS(月経前症候群)、過多月経、性感染症など女性特有の不調が出やすくなります。症状の重さも様々で、生理痛がほとんどない人は約2割にとどまり、多くの女性が何らかの痛みなどに悩んでいます。鎮痛剤で改善しない場合や、症状が強まっている場合は、子宮内膜症や子宮筋腫が隠れていることもあるため、早めの受診が大切です。

思春期から性成熟期へ

 思春期には女性ホルモンの分泌が始まり、乳房の発育や初潮などの二次性徴を経て女性らしい大人の体へと成長します。性成熟期に入ると、月経や排卵が規則的になり、妊娠・出産が可能となる時期を迎えます。しかしこの時期は、月経困難症やPMS(月経前症候群)、過多月経、さらには子宮内膜症や子宮筋腫など、女性特有の症状や病気が現れやすい時期でもあります。生理痛を「当たり前」と思って痛み止めなどで放置せず、日常生活に支障がある程重症の場合は、子宮内膜症や子宮筋腫等の合併の有無を早めに産婦人科で検査しましょう。

エストロゲンのβレセプター作用によるもの

 女性が40代後半頃より、エストロゲンが次第に減少し、まず生理不順が起こり、次に更年期障害症状が出る人が多いです。症状の内容はホットフラッシュ、肩こり、疲労感、鬱症状等個々で異なります。この時期には、一度子宮がん検診を受ける産婦人科医院で自分のエストロゲンの定量を測定することが望ましいです。更年期障害の治療は、ホルモン療法のほか、漢方やサプリメントなどの適切な治療で速やかに改善します。
 更年期以降、女性ホルモンが減少すると、もう一つのエストロゲン作用(βレセプター作用)によって、これまで保たれていた脂質の代謝、血圧のコントロール、骨密度などが急激に悪化し、動脈硬化や骨粗しょう症、高血圧の発症などで、快適な老年期を迎える事に支障が出てきてしまう恐れがあります。 今から自分の体を理解し、検診を習慣化することは、安心して年齢を重ねるための準備になります。

自分の体と向き合う第一歩

 女性ホルモンを安定させるには、やせすぎや肥満を避け、適度な運動を続けることが大切です。喫煙や過度な飲酒はホルモンや骨に悪影響を及ぼすため控えましょう。女性ホルモンは一生を通じて私たちの体を支える存在です。ライフステージごとに変化する体を理解し、閉経前後には特に産婦人科専門医のアドバイスを受けながら、かかりつけ医を持ち、自分の体と向き合い生涯現役を目指して頑張りましょう。

先生からのアドバイス

 「いつもとは何かがおかしい?生理不順もあるし、女性ホルモンバランスの異常かもしれない」などと感じたら、迷わず、まず産婦人科専門医で、「内診なしでご相談したい」と、受診をお勧めします。
 その後、ゆっくり内科やメンタルクリニックに紹介してもらう事が、女性のヘルスケアへの良い選択肢です。 また、医療以外の、心身共にリラックスが必要であれば、自分にあったヨガ、気功や、筋トレ、睡眠、また、ビタミン等を多く含んだバランスの良い食生活を心掛ける事も大切です。

岐阜新聞社発行
2025.10.4発行「join秋号」掲載記事


パピキラ
¦kill Papi make kira2✧¦とは?

子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)をなくし「ぎふの女性がずっとキラキラ輝けるように」という想いから生まれた予防啓発キャンペーンです。
男女ともに病気について正しく知り、定期的な検診を受けましょう。

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