作家物のうつわの良さでもある、一点づつの異なった景色や形、手触りや重み。
そんな風に作品として見るうちは「作家とその作品」という他を捉える目線であるのに
盛り付ける料理を描いた瞬間、
その中に「わたし」自身が入り込み、うつわをより主体的に捉えることができます。
料理好きな方は、うつわを見て料理をイメージしやすいと思うのですが、サラダのように切って盛り付けるだけでも、買ってきたお惣菜やお菓子でも、「わたし」が食べる食事=「わたし自身」と捉えることは、うつわ選びや料理をさらに愉しいものにしてくれると思っています。
気に入って手に入れたうつわに
どんな料理を、どんな風に盛り付け使うか。
うつわ屋店主も、作家自身さえも想像できない無限の自由がそこにはあります。
大袈裟に聞こえるかもしれないですが、うつわの良さはその自由さでもあるのです。
「自由」に「過ぎる」ことって無いと思っている私自身、用途の決まっていないうつわがとても好きです。
さてどうやって使おうか、ひとまずアレを乗せてみようか、そもそもこれってうつわなの?。
そんな風にあちこち心を動かしてくれるうつわに出会えたなら、とても幸せだと思います。
自分にぴったりとはまる使い方を探しながら、作家物のうつわの愉しさを広げてみてください。 自分で選んだ世界にひとつだけのうつわ、枠を外して自由自在に使いこなすうちに「あの料理に挑戦してみよう」「違うタイプのうつわを選んでみよう」そんな今までとは違う新しい自分に出会うことができるかもしれません。
おおの ひより
まめぐら/ミカヅキ
岐阜県岐阜市八幡町13